387643 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ぽかぽか新聞

ぽかぽか新聞

おっぱいがでた!



仮死状態で産まれた息子は人工呼吸器によって命がつながれた。

体温が下がらないように小さな体にサランラップを巻き、タオルに包まれた。

手術室の前で待っていてくれた夫と妹が手術室から出てきた保育器の我が子に駆け寄った。

母はその姿を見ることができなかったんだって。

「元ちゃん!」駆け寄った妹が夫よりも先に名前を呼んだ。

この世で一番最初に名前を呼んだのはこのおばちゃんよ♪

と元太が大きくなったら話すんだと妹は楽しみにしている。

元気に太く健やかに育つようにと、少し前に「元太」と名前を決めていた。

産まれてきてすぐに名前を呼んであげられて良かった。

生まれた事を喜ぶ前に、小さくこんなに早く産んでしまった事、無事でいてくれているだろうか、

これから元気に育つだろうか、色々な事が頭をめぐった。

主治医の先生の話を聞き、私よりも先に元ちゃんに会った夫が病室に帰ってきた。

「産んでくれてありがとう。よく頑張ったね」

「元太、しっかりしてるよ!25週で生まれたわりにはしっかりしてるって!」

と大喜びしている。

こんなに小さく生まれたのに、普通に生まれたように喜んでいる。

男の人って強いね。

私は不安で仕方ないのに、ただただ我が子の誕生を喜ぶ事ができるんだね。

この言葉で初めて元太が生まれた事を喜ぶ事ができた。



らいん黄色




次の日、おっぱいケアがあった。

まだ10ヶ月たってないんだからおっぱいは出る訳ない・・としょんぼりしていたが

看護婦さんがケアをしてくれたらびっくり!おっぱいが出たあ~!!

おっぱいケアは涙がでる程痛かったけど、それよりも元太に飲ませてあげるおっぱいが出た事が嬉しかった。

今はまだ飲めないおっぱいだけど、早く飲めるようになってね。

その日から元太が飲める様になる事を願いながら搾乳&冷凍保存が始まった。

搾乳の時隣にいた赤ちゃんを抱いておっぱいをあげているお母さん達を見ながら、

早くこういう日がくる事を祈っていた。早く抱っこしたいなあ。



花瓶



看護婦さんが走って病室に来た。

「赤ちゃんに母乳あげたいと小児科の先生から連絡があったよ!今すぐ母乳を持って行って!」

なんて言葉にしたらいいんだろう。

とにかく嬉しくて焦って走って走って冷凍した母乳をもって新生児集中治療室に走った。



コップ


© Rakuten Group, Inc.
X